オンラインカジノでの賭博による逮捕後の展開を完全解説!

オンラインカジノで金を賭けて遊ぶ行為は「賭博罪」における賭博行為に該当するため違法であり犯罪だ、ということを、当ブログでは耳にタコができるほど繰り返してきた。

だが、いくら「犯罪だ!」「違法だ!」「賭博罪だ!」などと俺が騒ぎたてたところで、オンラインカジノ利用者で実際に逮捕された連中があまりにも少ない現状では、危機感を抱くことはそれほどないだろう。

実際、オンラインカジノの違法性を熟知しながら、俺自身も「いまんところは大丈夫でしょ」という感じで楽観的ではある。

だが、楽観的とはいっても「絶対に捕まんないでしょ」ではないってことだ。

Fランとはいえ、腐っても法学生のはしくれであるから、「最悪逮捕もある」と考えたうえで「それを覚悟したうえでやらんとな」という、そういうヒリヒリするような楽観性であることは、ちゃんと言っておきたい。

現在のところ摘発される兆しがほぼないオンラインカジノだが、逮捕者がゼロであるわけではない。

そこで今回は、仮に「オンラインカジノを利用していて逮捕された場合」にどういう流れになるのかを、逮捕・拘置所・刑務所など未経験者の犯罪童貞の俺ではあるが、見ていきたいと思う。

目次

オンラインカジノ利用者が逮捕される場合の罪状

オンラインカジノ利用者が逮捕される場合の罪状

オンラインカジノ利用者が逮捕される場合の罪状は「単純賭博罪」か「常習賭博罪」のいずれかになる。

逮捕から解放までの流れを見るまえに、まずは、この二種類の賭博罪がどういった罪状であり、どのような罰則を持っているかを簡単におさらいしておこう。

まず違法行為となる「賭博」の定義だが、これは、大きく二つのポイントで理解するといい。

  • 勝敗が偶然で決まる勝負であること
  • その勝負によって金銭か財産とされるものが増えたり減ったりしていること

この二つの条件を満たしていて、国に認可されている公営ではないギャンブルであった場合、その「賭け」はすべて「賭博」となり、違法となる。

「単純賭博罪」について、刑法の原文ママで引用する。

“第185条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。”

続いて「常習賭博罪」だ。こちらも刑法の原文から。

“第186条 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。”

単純賭博罪は「一回の賭博」に対する罪、常習賭博罪は「複数回以上の賭博」に対する罪であり、常習賭博罪のほうが罪が重い。

オンラインカジノで1回だけ金銭を賭けた状態で賭博行為が発見された場合は「単純賭博罪」で、何回もベットしている状態で賭博行為が発見された場合は「常習賭博罪」で捕まる可能性が高い。

オンラインカジノで逮捕された場合の罰則の下限・上限

オンラインカジノで逮捕された場合、罰則の最低限は「50万円の罰金か科料」のうちの「科料」、上限は「3年の懲役」ってとこになる。

科料っていうのは、「1000円以上1万円未満」の納付を命じられる刑罰のことだから、オンラインカジノの利用で逮捕された場合、最低の場合は1000円程度の罰金で済む可能性もある。

だが、いまのところオンラインカジノの逮捕例を見ていても、どの程度の罰金を支払っているのか、などのデータが不明なので、こればかりは実際に逮捕されて、実刑判決が出てみないことには、具体的な数字を挙げることはできない。

あくまで目安としての「最低限の罰則」と理解してもらえれば幸いだ。

オンラインカジノで検挙される場合は多くが「常習賭博罪」の容疑がかけられるはずなのだが、このあたりも、プレイヤー側で起訴されたケースが限りなく少ない現状ではわからない。

まあ、つねに「最悪のケース」は想定しておいていいだろう。ひとまず、臭いメシ3年。

賭博で逮捕されてから有罪になるまでのルート

賭博という犯罪行為が発覚し、逮捕されてから有罪になるまでのルートを簡単に見ていこう。

「賭博をしたら即監獄」というイメージは誤りで、賭博行為の現場を押さえられて逮捕されてから有罪判決までには、何段階かの流れがある。

オンラインカジノの賭博で逮捕された場合、まず48時間以内に「事件送致」が行われる。ここで「微罪処分」と判断された場合は釈放され、前科がつくこともない。「書類送検」ってのはこの段階だね。

「事件送致」から24時間以内に「拘留請求」が出される。ここで「拘留ナシ」となれば「在宅事件」となり、刑事裁判まで日常生活を送りながら捜査が進んでいく。カフカの『審判』なんかはこの「在宅事件」を果てしなく延長した感じの小説といっていい。

「拘留」となった場合は留置所に送られて、20日以内に「起訴」か「不起訴」かを決める捜査があり、「不起訴」の場合は釈放、前科ナシとなる。

「起訴」になった場合は「刑事裁判」へと進み、そこで「有罪」か「無罪」かが決定し、「有罪」であった場合は賭博法に記載された罰則が適応される。

おおまかにはこんな感じの流れだ。

賭博罪の略式起訴で前科がつくパターン

オンラインカジノで逮捕される場合は、もう一つ「略式起訴」という形で処理されてしっかり前科がつくし罰金も払わなければならないパターンも想定しなければならない。

略式起訴ってのは、逮捕後にすぐに罪を認めた場合に罰金刑を支払うことによって身柄を解放されて釈放されるタイプの処理で、オンラインカジノの「単純賭博罪」だと、おそらくはこのパターンが一番多くなるのではないかと思う。

先ほど書いた「大まかな流れ」に比べるとアッサリしているが、罰金を払った瞬間に「前科」が付くことに、この「略式起訴」の特徴がある。

オンラインカジノの逮捕者の事例を見ていると、「略式起訴」を認めず裁判に持ち込んで「不起訴」を勝ち取った容疑者のケースがあるが、これは犯罪者のレッテルである「前科」をつけたくないために「粘った」というところだろう。

オンラインカジノで前科と引き換えにアッサリと犯罪を認めて釈放されることをとるか、それとも長期戦になることや弁護士への協力費用などを払ってでも「前科」を避けるか、という2択のルートが、オンラインカジノで犯罪を犯した容疑者に与えられていると考えていい。

賭博法は胴元の検挙を主要な目的にした刑法である

賭博法とオンラインカジノの関係を考えていくにあたっては、賭博法の基本的な理念、主要な目的が「胴元の検挙」にこそある、ということを知っておくのも無駄ではないと思う。

オンラインカジノの利用者の検挙が、利用者の実数に比べてあまりにも少ないことの背景として、この賭博法の主要の目的は無視することができない。

先ほど「常習賭博罪」のところで引用した刑法第186条は、「常習賭博及び賭博場開張等図利」という2項目に分かれていて、「常習賭博罪」は186条の1項目である。

2項目めの「賭博場開張等図利罪」の引用は、原文では以下になる。

“賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。”

「賭博場開張等図利罪」は「胴元」を検挙して裁くための罪であり、賭博罪のなかではもっとも重い罪状となっている。

「単純賭博罪」や「常習賭博罪」といった賭博行為をする側の検挙は、オンラインカジノ以外の場合は、実際はこれらの「賭博場開張等図利罪」のついでというか、「現場」をおさえての胴元検挙が先行しているパターンが多い。

胴元は組織犯罪を犯していることもあるため、「賭博場開張等図利罪」の逮捕の場合は先ほどの有罪判決の流れのなかでも「拘留」になりやすく、また、略式起訴になることはまずない。

賭博法の目的を理解すると検挙者の少なさが理解できる

賭博法の目的が「胴元の検挙」にありながらオンラインカジノの胴元が海外業者であり賭博罪を適応できないことと、胴元の「現場」をおさえることができないという2点が重なって、犯罪行為であるプレイヤーの賭博を検挙しにくくなっている状況がある、と考えていいだろう。

当ブログでも指摘したように、「胴元」は国家以外に存在してはいけない、というのが日本国の「隠された本音」である。

だから、「賭場」が自分たち以外の胴元で開かれることだけはなんとしてでも阻止し、賭博者たちには可能な限り国家胴元のギャンブルに金を落としてもらわなければならない。

おそらく、オンラインカジノという新しい賭場のありかたは、胴元を潰したい日本国家からすると、頭が痛くなるようなものであるに違いない。

「胴元が摘発できず、そのうえで賭博するプレイヤーを検挙することには、胴元の検挙ほどの意味がない」というのが、オンラインカジノという犯罪と賭博法の現在の関係であるといっても過言ではないだろう。

そもそもが、公営ギャンブルやパチンコなど「賭博」でしかない行為が国によって平気で許されているような国で、「賭博」という行為を取り締まること自体がナンセンスではある。

だが、このナンセンスも日本国家の立場に立ってみれば「俺以外の胴元で遊びやがって」といった心情として理解できなくもない。

ちなみに、ドイツや中国などの刑法では「単純賭博罪」にあたる、プレイヤーを罰する刑法がない。これはうらやましい限りである。

オンラインカジノ犯罪の逮捕から判決までのまとめ

オンラインカジノ犯罪の逮捕から判決までのまとめ

  • 単純賭博罪か常習賭博罪として逮捕される
  • 略式起訴を認めると前科がついてしまう
  • 賭博法は胴元を検挙することに主要な目的がある

オンラインカジノで犯罪行為としての賭博を行った場合の、逮捕から判決、あるいは、解放までの流れについての重要ポイントは以上になるだろう。

賭博法が胴元検挙を目的にしている以上、賭博をするプレイヤーが逮捕されることは、これまで通りそれほど多くはならないだろう、という見通しがある。

だが、この見通しも、所詮は逮捕歴ゼロの犯罪童貞であるFラン法学生による未来予想図でしかない以上、今後がどうなるかはまったく予想できない。

とはいえ、このくらいの「オンラインカジノで逮捕されたパターン」をおさえておくことが、オンラインカジノという犯罪にかかわる以上は必須の態度であることは間違いない。

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